壊れかかったUSBフラッシュメモリのデータ復旧

母から「緊急事態である」と電話があった。何事かと思ったが、ずっと使っていたUSBメモリの中身が突然見えなくなったとのことだった。パソコンに挿してエクスプローラで見ても、ファイルもフォルダも何も表示されないというのだ。昨日まではファイルやフォルダがあったのに。そのUSBフラッシュメモリというのは数年間酷使したものらしい。そりゃあ寿命でしょうよ。

パソコンのデスクトップやドキュメントフォルダの中にファイルを置いてなかったのかと質問してみたら「パソコンの中にデータを置いておくのは危ないからUSBフラッシュメモリに移して使いなさい」という指導を、自称詳しい人から受けていたらしい。

うわあ。

母のパソコンが突然ブッ飛んでもある程度どうにかなるようにOneDriveを設定してあるのだ。デスクトップやドキュメントフォルダに入ったファイルたちは即座にクラウドに同期されるのだ。断然安心なのである。なんという妙な指導をしてくれたのだ。

嘆いても仕方なく、まずはパソコンの状態を見せてもらう。ファイル名を指定して実行から "msra" を開いてもらう。リモートアシスタンスである。これで実家の母のパソコンが目の前にあるかのように操作できる。

USBフラッシュメモリは、確かに空っぽに見えた。

諦めてもらうしかないが、もしかしたらの可能性にかけてデータ復旧ツールを試してみた。体験版でも2GBまでは復旧できるという EaseUS Data Recovery である。インストールし、USBフラッシュメモリをスキャンしてみた。8GB の全体スキャンに 30分くらいかかっただろうか。なんとファイル群が見えているではないか。フォルダもファイル名も残っている。どうしても復旧したいというファイル群は200MB程度だったため、体験版でも余裕で復旧が可能だった。

できれば復旧して欲しいと言われていたファイルたちが無事戻ってきた。なかなか優秀である。ソフトウェアがよくできているのもあるだろうけど、USBフラッシュメモリの破損の仕方がそんなにひどくなかったのが幸いしたのだと思われる。メモリチップが全体的に飛んでいたらどう頑張っても無理だったろう。たぶん管理領域の一部分だけが破損したのだと思う。ほとんどのデータは残っているようだった。

こういうのはホントは素人が無茶する前に専門家のところに持ち込んだほうが良いのだけど。とにかく軽いエラーだったようで良かった。とはいえ同じ物を使い続けるのはコワイので、新しいUSBフラッシュメモリ(データ復旧サービス付きとかもあるよ)を買って使いなさい&パソコンの中にコピーを置いておくようにしなさいとアドバイスしました。

いつ壊れるかわからんデバイスにデータ入れておくのは本当にスリリング。